高山病
ヒマラヤトレッキングに行く場合、最も注意しなければいけないのが高山病です。
個人差がありますが、一般的に標高2500m以上を越えると、高山病の危険が出てきます。酸素が薄くなり、体内の酸素が不足して様々な症状を引き起こします。これらの症状の総称が高山病です。
<高山病の主な症状>
●初期:眠気・吐き気・めまい、不眠、頭痛、顔や手足のむくみ、食欲不振など
●中期:激しい頭痛、下痢、発熱、嘔吐、尿量の減少、脈拍増加、意欲減退など
●重度:脳浮腫(意識障害)、肺水腫(深刻な呼吸困難)
<予防>
- 自分のペースで、無理せず登りましょう。(高度を上げるのは1日500m以下が推奨される)
- 高山病の症状が出ていないからといって先を急がず、高度順応のための休養日はしっかりとりましょう。
- 体を温める(寒いと高山病にかかりやすくなります。)
- 水分をたくさん摂りましょう。(1日3~4リットル)高所では酸素を取り込むため、呼吸が自然と早くなります。その呼吸と共に水分も奪われていくので、いつもより水分補給が必要となります。トレッキング中のトイレの心配をして、水分を控える方もいますが、水分不足は高山病になりやすくなります。
- 酸素を多く取り込むために、常に深呼吸、腹式呼吸を心がけましょう。
<対処法>
- 初期症状のみなら、少し歩いて身体を慣らすと良いでしょう。(頭痛があるからと言って部屋で横になるのは逆効果です。ロッジ周辺をゆっくり散策するなどしましょう)
- 初期症状の場合、ダイアモックスという薬を服用することも効果的です。ネパールでは薬局で簡単に入手できます。ただし、日本では医師の処方箋が必要な薬なので、服用するときは自己責任で。
- また、頭痛や眠気、めまいなどの症状であればガーリックスープを飲むことでかなり症状が改善されます。沢山のお茶(水分)補給をするのも効果的です。
- 中期症状以上が出た場合は、高度を下げるしか対処法はありません。徒歩で下山できる場合は良いですが、動けなくなったり緊急性がある場合は、ヘリコプターを要請します。費用は4000USドル程度必要となります。海外旅行保険で、ヘリコプター代金をカバーしてくれるものがありますので、そのような旅行保険に加入することを強くお勧めします。
- 高山病の症状が出ているのに、大丈夫だろうと自己判断をし、対処しないでいると、重症になり生命の危険に直面します。脳浮腫や肺水腫になってしまうと、後遺症が残ったり、死に至る場合も少なくありません。もちろん緊急に病院に入院して、集中治療が必要となります。しかし、ネパールの医療は日本と比べて遅れており、十分な治療が受けられない可能性もあります。そうならないためにも、正しい予防法、対処法を実践するようにしましょう。